日系企業のNasdaq IPOをめぐる最近の動き

(最終更新日:2023年10月10日)

昨今、話題になっている日系企業のNasdaq上場!この記事では、日系企業のNasdaq IPOをめぐる動きについて、各社の状況を記載しております。現時点(上記記載の最終更新日時点)で既に上場している日系企業に加え、上場準備を進めている企業のSECファイリング等から読み取れる状況を取り上げました。

弊社では日系企業のNasdaq上場のサポートをさせていただいております。ご関心がある企業様にはオンラインでのご相談もさせていただいております。CONTACTよりお気軽にご連絡くださいませ。

(ご注意ください)刻一刻と変化する状況の中、弊社も最新の情報をお届けできるよう更新をしておりますが、必ずしも最新の状況であるとは限らない点ご了承くださいませ。また、弊社が独自の判断で「日系企業」を取り上げておりますので、必ずしも網羅的ではない点もご了承ください。

1. 会社概要

  • 社名:Kura Sushi USA, Inc.
  • 本社所在地:アメリカ カリフォルニア
  • 代表:CEO(最高経営責任者)姥一
  • 設立:米国子会社は2008年設立
  • 事業内容:外食チェーン店
  • 決算月:10月31日

2. 上場概要

  • 上場年月日:2019年8月1日(NASDAQ: KRUS
  • 上場したマーケット:NASDAQ Global Market
    ※Nasdaqには3つの市場が存在します。
    詳細については、こちらの記事をご参照ください。https://quantum.accountants/ja/usipo_series4/
  • 上場した方法(ADR/子会社設立/SPACなど):米国子会社設立による上場
  • アンダーライター: ・BMO Capital Markets Corp. ・Stephens Inc. ・BTIG, LLC ・Roth Capital Partners, LLC ・Maxim Group LLC
  • 弁護士:Squire Patton Boggs (US) LLP
  • 監査人:Deloitte & Touche LLP(2020年2月にKPMG LLPに変更されています:8-KのLINK。なお、日本の親会社のくら寿司は2023年2月現在もトーマツが監査人となっています。)
  • これまでの株価推移:https://www.nasdaq.com/market-activity/stocks/krus

finviz dynamic chart for KRUs 出所:finviz

3. ファイリング履歴から見る上場までの経緯

くら寿司のEDGARへのLINK

既に上場済のため割愛いたします。上場時に関する弊社の記事についてはこちらをご参照ください。

Quantum Accounting「くら寿司、Nasdaq上場申請へ」(LINK
なお、くら寿司米子会社は、125百万ドル(日本円にして約168億円、1ドル135円で換算)を追加で資金調達するとしています(SECファイリングへのLINK)。NasdaqのみならずNYSEを含む米国市場では、Initial(初回)のPublic Offering(公募)後も2回目、3回目と公募を行うこと(Follow-on Offeringと呼ばれています)は極めて一般的である点が、日本における上場と比較した際特徴的と言えます。

Follow-on Offeringについては、弊社のこちらの記事をご参照くださいませ。

Follow-on Offering

4. その他

日経ビジネス「くら寿司、米国から挑む“回転ずしのスタバ”」LINK

2020年9月に台湾の子会社もTaipei Exchangeに上場している(LINK

2022年12月時点のくら寿司の日本・アメリカ・台湾における店舗数推移(LINK

1. 会社概要

  • 社名:株式会社メディロム(MEDIROM Healthcare Technologies Inc.)
  • 本社所在地:東京都港区台場2-3-1 トレードピアお台場16F
  • 代表:代表取締役 江口 康二
  • 設立:2000年7月
  • 資本金:上場時は13億300万8,037円(準備金含む)2023年2月現在は25億5,927万円(準備金含む、JGAAP基準)
  • 事業内容:スタジオ運営事業/フランチャイズ事業/ヘルステック事業/デバイス事業

2. 上場概要

  • 上場年月日:2020年12月29日(NASDAQ: MRM
  • 上場したマーケット:Nasdaq Capital Market
  • 上場した方法(ADR/子会社設立/SPACなど):ADR上場(株式会社メディロム自体が上場)
  • アンダーライター:MAXIM GROUP LLC
  • 弁護士:Greenberg Traurig, LLP
  • 監査人:Squar Milner ※2020年11月1日にSquar Milner, LLP(以下「Squar Milner」)がBaker Tilly US, LLP(以下「Baker Tilly」)と合併したため、同日、Baker Tillyがメディロム社の監査人となっています。なお、2022年12月16日にTAAD LLPに変更されています。(監査人変更に関するLINK
  • これまでの株価推移:https://www.nasdaq.com/market-activity/stocks/mrm

finviz dynamic chart for MRM 出所:finviz

3.ファイリング履歴から見る上場までの経緯

メディロムのEDGARへのLINK

既に上場済のため割愛いたします。上場時に関する弊社の記事についてはこちらをご参照ください。

QA「メディロム、Nasdaq上場へ」(LINK

4.その他

メディロム「メディロム、2020年12月29日にNasdaq新規上場 〜ヘルスケアリーディングカンパニーとして世界へチャレンジ〜」(LINK

1. 会社概要

  • 社名:吉通貿易株式会社 ( Yoshitsu Co., Ltd)
  • 本社所在地:東京都墨田区江東橋2-5-9
  • 代表:代表取締役 金山 名
  • 設立:2006年12月
  • 資本金:4億5,000万円(準備金含む)(2021年12月31日時点)
  • 事業内容:ドラッグストアの経営、卸売、通信販売、PB商品の開発販売

2. 上場概要

  • 上場年月日:2022年1月18日(Nasdaq:TKLF
  • 上場したマーケット:Nasdaq Capital Market
  • 上場した方法(ADR/子会社設立/SPACなど):ADR上場(吉通貿易株式会社自体が上場)
  • アンダーライター:主幹事証券会社は米国のUnivest Securities, LLC、共同幹事証券会社は米国のValuable Capital Ltd.
  • 弁護士:Hunter Taubman Fischer & Li LLC
  • 監査人:Friedman LLP
  • これまでの株価推移:https://www.nasdaq.com/market-activity/stocks/tklf

finviz dynamic chart for TKLF 出所:finviz

3. ファイリング履歴から見る上場までの経緯

吉通貿易のEDGARへのLINK

既に上場済のため割愛いたします。上場時に関する弊社の記事についてはこちらをご参照ください。

QA「吉通貿易がNasdaq上場」(LINK

4. その他

吉通貿易「IPOの完了とオーバーアロットメントオプションの部分行使のお知らせ」(LINK

1. 会社概要

  • 社名:ハートコア株式会社(Heartcore, Inc.)
  • 本社所在地:東京都品川区東五反田1-2-33 白雉子ビル3F
  • 代表:代表取締役社長 神野 純孝
  • 設立:2009年6月
  • 資本金:ハートコアの資本金は1億円
  • 事業内容: デジタルトランスフォーメーション(DX)を支える様々なソリューションの開発・販売・保守 デジタルマーケティングテクノロジーを利用したCMS(コンテンツ管理)及びCXM(顧客体験管理)の 開発・販売・保守 RPA(ロボティクス・プロセス・オートメーション)の開発・販売・保守 プロセスマイニング・ソリューション「myInvenio」「Apromore」の販売・保守 タスクマイニング・ソリューション「CONTROLIO」の販売・保守 VR360(空間撮影(Marrerport)+オリジナルサービスの開発・販売・保守の開発・販売・保守 経営コンサルティング業務

2. 上場概要

  • 上場年月日:2022年2月10日(Nasdaq:HTCR)
  • 上場したマーケット:Nasdaq Capital Market
  • 上場した方法(ADR/子会社設立/SPACなど):米国に設立した親会社がNasdaq上場
  • アンダーライター:Boustead Securities
  • 弁護士:Anthony L.G., PLLC
  • 監査人:MaloneBailey, LLP
  • これまでの株価推移:https://www.nasdaq.com/market-activity/stocks/htcr

finviz dynamic chart for HTCR 出所:finviz

3. ファイリング履歴から見る上場までの経緯

ハートコアのEDGARへのLINK

既に上場済のため割愛いたします。

4. その他

ハートコア「ハートコア株式会社の親会社HeartCore Enterprises, Inc. Nasdaq新規上場のお知らせ~グローバル展開で日本経済の活性化を促進~」(LINK

1. 会社概要(かっこ書きは上場する米国法人の情報)

  • 社名:株式会社A.L.I.Technologies(AERWINS Technologies Inc.)
  • 本社所在地:東京都港区芝公園3丁目1番8号 芝公園アネックス6階(101 Jefferson Drive 1st Floor, Menlo Park, California 94025 United States of America)
  • 代表:代表取締役社長 片野大輔(Shuhei KOMATSU / Director, Chairman and CEO)
  • 設立:2016年9月
  • 資本金:1億円 ※2021年12月末現在
  • 事業内容: ホバーバイク(空中移動用バイク)の研究開発、製造、販売 産業用ドローンの研究開発、コンサルティング 産業用ドローンを用いた点検、測量等の運用 ドローンの統合運航管理システムの研究開発 クラウドGPUサービスの提供

2.上場概要

  • 上場年月日:2023年2月6日(Nasdaq:AWIN, PONO, AWINW
  • 上場したマーケット:普通株式はNasdaq Global Marketで “AWIN”、新株予約権はNasdaq Capital Marketで “AWINW “として取引が開始 (2月3日付でPONOの株式は取引停止)
  • 上場した方法(直接/子会社設立/SPACなど):米国持株会社のDe-SPAC
  • 弁護士:Nelson Mullins Riley & Scarborough LLP
  • 監査人:Marcum LLP
  • これまでの株価推移:https://www.nasdaq.com/market-activity/stocks/awin

finviz dynamic chart for AWIN 出所:finviz

3.ファイリング履歴から見る上場までの経緯

AERWINSのEDGARへのLINK

既に上場済のため割愛いたします。上場時に関する弊社の記事についてはこちらをご参照ください。

QA「A.L.I.がDe-SPACによりNasdaq上場」(LINK

4.その他

A.L.I「米証券取引所NASDAQへの上場に関するお知らせ」(2022年9月8日)(LINK

1. 会社概要

  • 社名:株式会社シーラテクノロジーズ(SYLA Technologies)
  • 本社所在地:東京都渋谷区広尾1-1-39 恵比寿プライムスクエア 7F
  • 代表:代表取締役社長 グループ 執行役員COO 湯藤 善行
  • 設立:2010年9月
  • 資本金:161,580,000円
  • 決算期:12月末
  • 事業内容:資産運用プラットフォーム「利回りくん」を中心としたプロップテック事業、利回りくんAIの開発

2. 上場概要

  • 上場年月日:2023年3月31日(Nasdaq: SYT)
  • 上場したマーケット:Nasdaq Capital Market
  • 上場した方法(ADR/子会社設立/SPACなど):ADR上場(株式会社シーラテクノロジーズ自体が上場)
  • アンダーライター:Boustead Securities, LLC
  • 弁護士:Anthony L.G., PLLC
  • 監査人:MaloneBailey, LLP
  • これまでの株価推移:https://www.nasdaq.com/market-activity/stocks/syt

    finviz dynamic chart for SYT 出所:finviz

3. ファイリングの履歴から見るこれまでの経緯・今後の動き

SYLAのEDGARへのLINK

最初にDRS(Draft Registration Statement)としてコンフィデンシャルファイリングされてるのは2022年9月26日でした。この時は直前決算(21年12月)から9か月以内だったので、年度のFSだけ添付されてて、期中FSは含まれていません。

そして正式にF-1がファイリングされたのが同じく2022年11月16日で、その時は直前期末から9か月超経過してるので、半期のFSを追加で挿入してるのがわかります。

その後数回Amendがされてて、直前のAmendは2023年3月16日でした。

FPIは直前期の財務諸表の賞味期限が15か月なので、2021年12月期のFSを使ってIPOできる期限は今年3月末という中、3月30日夕刻にF-1がEffective(有効)となり、3月31日にForm 424B4 Prospectus(目論見書)が発行され、同日株価が付き上場を果たしました。

4. その他

運営する資産運用プラットフォームのWebサイト(LINK

1. 会社概要

  • 社名:株式会社Warrantee(Warrantee Inc.)
  • 本社所在地:大阪府大阪市中央区道修町2-4-1-1103
  • 代表:代表取締役 庄野 裕介
  • 設立:2013年10月21日
  • 資本金:1100万円(資本準備金含む)
  • 事業内容:保証書管理クラウドサービス等

2. 上場概要

  • 上場年月日:2023年7月25日(Nasdaq: WRNT)
  • 上場したマーケット:Nasdaq Capital Market
  • 上場した方法(ADR/子会社設立/SPACなど):ADR上場(株式会社Warrantee自体が上場)
  • アンダーライター:Network 1 Financial Securities, Inc.
  • 弁護士:Greenberg Traurig, LLP
  • 監査人:BF Borgers CPA PC
  • これまでの株価推移:https://www.nasdaq.com/market-activity/stocks/wrnt

    finviz dynamic chart for wrnt 出所:finviz

3. ファイリングの履歴から見るこれまでの経緯・今後の動き

WarranteeのEDGARへのLINK

初回のコンフィデンシャルファイリングは2022年2月7日に行われています。その後6月10日にPublic Filingし、6月30日にF-1が有効となっていました。しかし、その時のFSは2021年3月期と2020年3月期ですので、賞味期限(15か月)が2022年6月で切れてしまっていることになるため、もう一回やり直しをしていると見受けられます。

さらに、2022年12月6日にもう一度、F-1がファイリングされていますが、今度は2022年3月期と2021年3月期が添付されていましたが、直前期末よりすでに9か月以上経過しているため、2023年6月2日に追加で半期のFSを添付しています。2023年6月末までが賞味期限という中、6月末日にF-1が有効(Effective)になり、7月25日には株価がつき、26日に目論見書が提出されています。

4. その他

ITmedia「社員9人で米ナスダック上場 日本のベンチャーWarranteeが進める“無料保険”とは何か」(LINK

Warantee「株式会社 Warrantee、⽶国 Nasdaq 市場への新規上場に関するお知らせ」(LINK

1. 会社概要

  • 社名:株式会社アーリーワークス
  • 本社所在地:東京都台東区上野5-7-11 3階
  • 代表:代表取締役(CEO) 小林聖
  • 設立:2018年5月1日
  • 資本金:200,000,000円(資本準備金を含む)
  • 事業内容:ブロックチェーンによるシステムソリューション企画・提案・設計・開発 弊社の独自ノウハウにより培ったユニット型セミオーダー開発による企画・提案・設計・開発

2. 上場概要

  • 上場年月日:2023年7月25日(Nasdaq: ELWS)
  • 上場したマーケット:Nasdaq Capital Market
  • 上場した方法(ADR/子会社設立/SPACなど):ADR上場(株式会社アーリーワークス自体が上場)
  • アンダーライター:US Tiger Securities, Inc.
  • 弁護士:Hunter Taubman Fischer & Li LLC
  • 監査人:WWC, P.C.
  • これまでの株価推移:https://www.nasdaq.com/market-activity/stocks/elws

    finviz dynamic chart for ELWS 出所:finviz

3. ファイリング履歴等から見るこれまでの経緯・今後の動き

アーリーワークスのEDGARへのLINK

アーリーワークスがコンフィデンシャルファイリングを行ったのが2022年9月20日。同年12月30日にF-1がファイリングされ、2021年4月期と2022年4月期の2期が添付されています。その後の複数回のAmendの際、2023年5月19日にファイリングされたF-1/Aでは半期のFS(2022年10月期)がなされ、F-1が有効(Effective)になったのが、2022年4月期のFSの賞味期限が切れる2023年7月内である同月24日と大変なスピード感のある日系企業のNasdaq上場となりました。翌25日は目論見書が提出され同日初の株価がついています。

4. その他

アーリーワークス、Earlyworks Co., Ltd. Announces Closing of Initial Public Offering(2023年7月27日LINK

1. 会社概要

  • 社名:ピクシーダストテクノロジーズ株式会社
  • 本社所在地:東京都千代田区神田三崎町2丁目20番5号 3F,4F
  • 代表:落合陽一、村上泰一郎
  • 設立:2017年5月10日
  • 資本金:100,000千円(4,062,326千円:資本準備金含む)
  • 事業内容:ピクシーダストテクノロジーズは、計算機科学(コンピュータサイエンス)と、音や光などを自在に操る独自の波動制御技術の融合により、コンピュータと非コンピュータが不可分な環境を構築し、言語や現象、アナログとデジタルといった二項対立を循環的に超えていく「デジタルネイチャー」の到来を見据えています。 私たちは、現在、波動制御技術をメカノバイオロジーや視覚・聴覚・触覚への介入・補助をする「パーソナルケア&ダイバーシティ領域」と、メタマテリアル(材質ではなく構造で特性を生み出す技術)やオフィス・工事現場等の課題解決のために適用する「ワークスペース&デジタルトランスフォーメーション領域」の2つの主要な領域に重点を置いて製品を展開しています。 急速に進化していくコンピュータに対して、私たち生物の身体(ハードウェア)の進化は非常に遅く、その差はますます開こうとしています。ピクシーダストテクノロジーズはこの両者の間をうまく調停し、生活に対してよりよい価値を生み出し続けます。

2. 上場概要

  • 上場年月日:2023年8月1日(Nasdaq: PXDT)
  • 上場したマーケット:Nasdaq Capital Market
  • 上場した方法(ADR/子会社設立/SPACなど):ADR上場(ピクシーダストテクノロジーズ株式会社自体が上場)
  • アンダーライター:Boustead Securities, LLC
  • 弁護士:Greenberg Traurig, LLP
  • 監査人:Baker Tilly US, LLP
  • これまでの株価推移:https://www.nasdaq.com/market-activity/stocks/pxdt

finviz dynamic chart for PXDT 出所:finviz

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3. ファイリング履歴等から見るこれまでの経緯・今後の動き

ピクシーダストテクノロジーズのEDGARへのLINK

ピクシーダストテクノロジーズがコンフィデンシャルファイリングを行ったのが2023年3月8日。2021年4月期及び2022年の4月期に加えて半期のFS(2021年10月期及び2022年10月期)が添付されています。同年6月7日にF-1がファイリングされ、複数回のAmendをファイリングしながら、まさに賞味期限切れとなる2023年7月31日にF-1が有効(Effective)になり、8月1日株価がつき、8月2日に目論見書が提出されています。

4. その他

ピクシーダストテクノロジーズ株式会社「米国Nasdaq Capital MarketでのIPOのクロージングのお知らせ」(LINK

1. 会社概要

  • 社名:株式会社リード・リアルエステート(LEAD-REAL ESTATE CO., LTD)
  • 本社所在地:東京都渋谷区南平台町16-11 MFPR渋谷南平台ビル6階
  • 代表:代表取締役 長原 英司
  • 設立:平成15年11月
  • 資本金:200,000千円
  • 事業内容:不動産およびその周辺事業

2. 上場概要

  • 上場年月日:2023年9月27日(Nasdaq: LRE)
  • 上場したマーケット:Nasdaq Global Market
  • 上場した方法(ADR/子会社設立/SPACなど):ADR上場(株式会社リード・リアルエステート自体が上場)
  • アンダーライター:Network 1 Financial Securities, Inc.
  • 弁護士:Hunter Taubman Fischer & Li LLC
  • 監査人:BF Borgers 
  • これまでの株価推移:https://www.nasdaq.com/market-activity/stocks/lre
  • finviz dynamic chart for LRE 出所:finviz

3. ファイリングの履歴から見るこれまでの経緯・今後の動き

リード・リアルエステートのEDGARへのLINK

最初にDRS(Draft Registration Statement)としてコンフィデンシャルファイリングされているのは2022年4月8日でした。同年2022年8月11日にF-1が正式にPublic Filingされた際は2021年と2020年6月期でファイリングされていました。その後複数回Amendされ、2023年1月4日にファイリングしたAmendでは2022年6月期と2021年6月期に変更されています。更に2023年5月時点で半期FSを追加添付し、賞味期限となる2023年9月末、9月26日にF-1が有効(Effective)になり、9月27日には株価がつき上場となりました。

4. その他

  • リード・リアルエステート、ナスダック・グローバル市場での新規株式公開案について登録届出書の提出を発表(LINK
  • リード・リアルエステート、米国ナスダック市場への上場に関するお知らせ (LINK)

1. 会社概要

  • 社名:コインチェック株式(Coincheck, Inc.)
  • 本拠地:日本 東京都
  • 代表:代表取締役社長 蓮尾聡
  • 設立:2012年8月28日
  • 資本金:1億円
  • 事業内容:暗号資産交換所の運営ならびに新金融サービスの研究開発
  • 決算期:3月31日

2. 上場準備概要

  • 上場を予定している時期:2022年内を目途に上場予定であったが、現在も上場に向けた手続きを推進中(Nasdaq: THCP(SPAC)→CNCKを予定)
  • 上場を考えているマーケット:Nasdaq Global Market
  • 上場しようと計画している方法(ADR/子会社設立/SPACなど):オランダ持株会社のDe-SPAC
  • 弁護士:Simpson Thacher&Bartlett LLP及びアンダーソン・毛利・友常法律事務所外国法共同事業
  • 監査人:マネックス同様、KPMGだと思われます(非公表)
  • J.P. Morgan Securities LLCがフィナンシャルアドバイザーを務めています。

3. ファイリング履歴等から見るこれまでの経緯・今後の動き

SPACのEDGARへのLINK

2022年3月22日、マネックスグループは、暗号資産交換業を手がける子会社コインチェックを特別買収目的会社(SPAC)との統合を通じて、2022年内にも米国Nasdaq市場に上場させると発表しました。

上場のスキームは、マネックスグループのプレスリリースに詳細が記載されています。

今回のdeSPACに際して、マネックスグループはまずオランダにCoincheck Group B.V.という法人(オランダ法人)を新設し、その下に中間持株会社を配置し、更にその下にコインチェックをぶら下げる組織再編を行います。そしてdeSPAC時には中間持株会社とSPACを合併させることにより、オランダ法人(株式公開時に法人形態が変更となりCoincheck Group N.V.となる)の下にSPACと統合したコインチェック事業を連結する形を取り、最終的にSPACに代わりオランダ法人をNasdaqに上場させるというスキームを計画しているようです。この一連の取引の結果、オランダ法人の株式の7割超をマネックスが保有し、連結子会社とする一方、既存のSPAC株主にはオランダ法人の約18.5%が割り当てられる予定です。

SPACがSECに提出した臨時報告書(Form 8-K)を確認した限りでは、上場後のオランダ法人が(SEC規定上の)内国法人となるか、外国法人(FPI)となるか明らかではありませんが、わざわざオランダに法人を設立する複雑なスキームを構築していることからもFPIとなる予定であると思われます。

その後8-KなどはFilingされておらず、特段大きな発表はなされていません。コインチェック側の財務諸表はまだ公表されていませんでしたが、Business Combination Agreement契約期限は2023年7月2日となっておりました。

その後、2023年5月31日にコインチェックおよびマネックスグループから発表されたプレスリリースにおいて「当初の想定よりも米国証券取引委員会(以下「SEC」)の登録審査プロセスが長期化している」ことからSPACは買収期限を1年延長し、前述のBusiness Combination Agreement契約についても1年延長する等の変更契約を締結したとアナウンスされました。これによりコインチェックのSPACを通じたNasdaq上場準備に向けた手続きは継続されているようです。

4. その他

  • マネックスグループ「2023年3月期第3四半期 決算説明書」(LINK
  • マネックスグループ「当社連結子会社Coincheck Group B.V.のThunder Bridge Capital Partners IV, Inc.とのDe-SPACによるナスダック上場に関するお知らせ」(2022年3月22日)(LINK
  • QA「コインチェックがSPACを利用してNasdaqに上場か」(LINK
  • DIAMOND SIGNAL 2022/4/26「マネックス松本CEOが明かすコインチェック上場の狙い──「ナスダックは最良の場」」(LINK
  • マネックスグループ「当社連結子会社 Coincheck Group B.V.のThunder Bridge Capital Partners IV, Inc.との De-SPAC によるナスダック上場の進捗に関するお知らせ」(LINK

1. 会社概要

  • 社名:株式会社メディアジーン(TNL Media Group)
  • 本拠地:〒150-0044 東京都渋谷区円山町23-2 アレトゥーサ渋谷(台湾 台北市信義区菸廠路88号 4階)
  • 代表:代表取締役 CEO 今田素子(鍾子偉, Joey Chung)
  • 設立:1998年10月30日(2015年7月1日より持株会社制に移行)(TNL Media Group: 2013年)
  • 資本金:7,754万円 (TNL Media Group: US$23,555,904)
  • 事業内容:ケイマン諸島に登記されたTNLメディアジーンは、2023年5月に台湾のThe News Lens Co.と日本の株式会社メディアジーンという独立系の大手デジタルメディアグループが経営統合して誕生した企業。事業内容は、ビジネス、経済、テクノロジー、サイエンス、フード、スポーツ、ライフスタイルなど、さまざまなテーマにわたる日本語、中国語、英語のオリジナルおよびライセンスメディアブランド、代理店から需要のあるAI搭載の広告およびマーケティング技術プラットフォーム、eコマース、クリエイティブソリューションなど。政治的中立性、若年層へのリーチ、そしてその品質に誇りを持っている。

2. 上場準備概要

  • 上場を予定している時期:2021年12月3日(SPACのNasdaq: BOCN)
  • 上場を考えているマーケット:Nasdaq Capital Market
  • 上場しようと計画している方法(ADR/子会社設立/SPACなど):De-SPAC
  • 財務・資本市場顧問:Needham & Company, LLC (BOCN)
  • 弁護士:(BOCN)Sidley Austin LLP, Lee and Li、(TNLメディアジーン)Morrison & Foerster LLP
  • 監査人:Marcum LLP (BOCN)

3. ファイリング履歴等から見るこれまでの経緯・今後の動き

メディアジーンのEDGARへのリンク先

台湾のデジタルメディア大手The News Lens Co.(以下TNL)と日本の株式会社メディアジーンは、2023年5月26日(金)に株式交換により経営統合し、新たに「TNLメディアジーン」を設立しました。これによりメディアジーンはTNLのグループ企業になりました。グループ本社が台北に拠点を置くTNLメディアジーン、日本支社がメディアジーンになります。

加えて、2023年6月6日(火)TNLメディアジーンと特別目的買収会社(SPAC)である Blue Ocean Acquisition Corporationは、TNLメディアジーンがNasdaq上場企業となるための企業結合に関する最終合意を発表しました。

本取引の企業統合契約に基づき、SPACのBlue Ocean Acquisition Corp (BOCN)はTNLメディアジーンと合併し、BOCNはTNLメディアジーンの完全子会社として合併後も存続し、TNLメディアジーンはNASDAQの上場企業となります。

4. その他

  • メディアジーン、台湾メディア企業との経営統合により「TNLメディアジーン」として、米SPACとナスダックへの上場に合意(2023年6月7日LINK
  • TNLメディアジーン、日台デジタルメディアが初の経営統合 「TNLメディアジーン」として米SPACとナスダックへの上場に合意 AI活用テクノロジー駆使し、成長市場のアジア読者と世界の情報を繋ぐ(LINK

1. 会社概要

  • 社名:ムーヴアクション株式会社(ZEROSPO)
  • 本拠地:〒140-0011 東京都品川区東大井5-19-9 東大井アーバンハイム3F (ケイマン諸島)
  • 代表:代表取締役 宇梶義男、取締役社長 石井哲平 (Chief Executive Officer and a director 宇梶義男)
  • 設立:2001年3月23日 (2022年6月1日)
  • 資本金:10,000,000円
  • 事業内容:鍼灸・整骨院での一般施術、トレーナー業務、美容鍼灸・整体、コンサルタント事業、有料職業紹介事業、各種セミナー開催

2. 上場準備概要

  • 上場を予定している時期:未定(Nasdaq: ZRSPを予定)
  • 上場を考えているマーケット:Nasdaq Capital Market
  • 上場しようと計画している方法(ADR/子会社設立/SPACなど):海外持株会社であるZEROSPOを通じた上場
  • アンダーライター:Boustead Securities, LLC
  • 弁護士:Anthony L.G., PLLC
  • 監査人:B F Borgers CPA, PC

3. ファイリング履歴等から見るこれまでの経緯・今後の動き

ムーヴアクションのEDGARへのリンク先

ZEROSPOは2022年6月1日にケイマン諸島で設立され、同月8月1日に日本法人であるムーヴアクション株式会社を完全子会社とした持株会社です。

ZEROSPOがコンフィデンシャルファイリングを行ったのが2023年1月20日、2021年10月期のFSが添付されています。その後複数回のAmendの中では、2021年10月期に加えて2022年10月期のFSも添付されています。

1. 会社概要

  • 社名:株式会社メトロス開発(Metros Development Co., Ltd.)
  • 本拠地:東京都中央区銀座4-10-10 銀座山王ビル7階
  • 代表:代表取締役 小柴 義弘
  • 設立:平成25年3月29日
  • 資本金:7,900万円
  • 事業内容:再開発コンサルティング事業、不動産開発事業

2. 上場準備概要

  • 上場を予定している時期:未定(Nasdaq: 未記載 )
  • 上場を考えているマーケット:Nasdaq Capital Market
  • 上場しようと計画している方法(ADR/子会社設立/SPACなど):ADR上場(メトロス開発自体が上場)
  • アンダーライター:Boustead Securities
  • 弁護士:Anthony L.G., PLLC (普通株式の有効性および日本法に関する特定の法的事項は、東京のCity-Yuwa Partners)
  • 監査人:MaloneBailey, LLP

3. ファイリング履歴等から見るこれまでの経緯・今後の動き

メトロスのEDGARへのリンク先

メトロス開発がコンフィデンシャルファイリングを提出したのは、2023年7月10日。その際は、2021年11月30日及び2022年11月30日の財務諸表が添付されています。

その後F-1が2023年9月26日に提出された際には、2023年5月31日の半期財務諸表が追加で添付されています。

おわりに

弊社では日系企業のNasdaq上場のサポートをさせていただいております。記事をお読みいただき、もっと詳しく話を聞きたいという方は、お気軽に弊社までご連絡ください。我々は、未来を見据えて今を走る皆様のお話をお伺いできることを楽しみにしております。またお伺いした中でサポートできることを提供いたします。相乗効果のある人と人のつながりを提供させていただきます。弊社へのお問い合わせは、お気軽にこちら(CONTACT)からご連絡ください。

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