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Nasdaq駐日代表の杉原幹郎様へインタビュー~Nasdaq上場の魅力とは~

Nasdaqのオフィスが日本にもあるということを知らない方は多いのではないでしょうか。

今回Nasdaqの駐日代表である杉原幹郎様にお話をお伺いし、日本におけるNasdaqの活動内容から、日本と米国の取引所や投資家の特徴や、どのような日本企業がNasdaq上場に向いているのかなど、様々なトピックについて語っていただきました!

2018年9月ペッパーフードサービス株式会社が5年ぶりに日本企業としてNasdaqに上場を果たし、注目が高まっているNasdaq市場。

いつかは上場をと考えているスタートアップや、ビジネスをグローバルに展開したいと考えている企業の経営者様必見の内容となっております。また投資家の方々にとっても、改めて日本と米国の取引所の違いを整理することができる機会となれば幸いです。

記事をお読みいただき、もっと詳しく話を聞きたいという方は、お気軽に弊社までご連絡ください。我々は、未来を見据えて今を走る皆様のお話をお伺いできることを楽しみにしております。またお伺いした中でサポートできることを提供いたします。相乗効果のある人と人のつながりを提供させていただきます。杉原様へのコンタクトも喜んでさせていただきます。弊社へのお問い合わせは、お気軽にこちら(CONTACT)からご連絡ください。

 

【目次】

  • ジャパンとは。活動内容とターゲットとする日本企業とは。
  • 上場を目指す日本企業の最近の動向
  • Nasdaq上場に向いている日本企業とは
  • 米国と日本における上場基準の違い
  • NYSEとNasdaqの違い・特徴、Nasdaqのサービス
  • おわりに

 

Nasdaqジャパンとは。活動内容とターゲットとする日本企業とは。

 

―はじめに、Nasdaqの東京オフィスについて教えてください。日本ではいつ頃から、またどのような活動をされているのでしょうか。

Nasdaqが日本のオフィスを開設したのは2008年で、当初は日本のITサービスの提供先であるクライアントのサポートのためのオフィスとして設立されました。

実は、Nasdaqの中で取引所関連ビジネスというのは、既に収益全体の約半分程度になっており、残りの半分はIT/データ ビジネスで構成されています。このITビジネスというのは、さまざまなFinTechサービスを世界中の取引所や規制当局・金融機関向けに提供しているビジネスを含んでいます。

2000年初頭から日本でもこのITビジネスの開拓を開始、その結果、いくつかの日本の取引所にもNasdaqシステムを使っていただけることになり、そのタイミングで2008年に東京オフィスを開設しました。その後、2010年ごろから東京オフィスで日本企業に対するNasdaq市場への上場のプロモーションも開始しました。

 

―上場ビジネスのマーケティング活動について教えてください。

Nasdaqとして上場ビジネスのアジア本部は香港にあり、東京オフィスはその下で日本企業へのNasdaq上場誘致を行っています。しかし残念ながら、東京オフィスとして上場ビジネスの活動に充てられるリソースはあまり多くありません。そういった制約の中で最も効率的なアプローチをしていければということで、”面”の外交ではなく”点”の外交を行っています。

具体的な活動方法としては、例えば、各種メディアなどで取り上げられたり、外部から紹介を受けたりした光った技術を持つ会社、ユニークなビジネスモデルを展開している会社、ユニコーン候補などに対して個々にコンタクトして、その中でNasdaq上場に興味を持っていただいた会社を直接訪問し、実際にお会いして詳しいお話をさせていただいています。

 

―そういった営業活動を通して、ずばりどんな企業にNasdaqに来てもらいたいですか。

もちろん日本の全ての企業にNasdaqに上場してもらいたいと思っています(笑)。ですが実際のところ、上場を目指す企業の中には、Nasdaqに上場した方が企業価値をより高められる企業と、その他の市場の方が適している企業があると思っていますので、他市場への上場の方が向いていると思われる企業に対してNasdaq上場を積極的に勧めることはしていません。Nasdaqに来た方がその会社にとってメリットが大きいと確信できた会社に対して初めてその理由を明確に説明して強くお勧めし、全面的に後押しして行きたいと考えています。

 

Nasdaq上場を目指す日本企業の最近の動向

 

―現在、Nasdaqへの上場準備中を目指す会社はどれくらいありますか。上場準備の会社といっても、およそ2年程度の期間が必要でしょうから、序盤・中盤・終盤と様々なステージがあると思いますが、全体の母集団としていかがでしょうか。

そうですね。現在われわれが定期的にコンタクトしている先で両手プラスくらいの会社数があるのではないでしょうか。そのうち、約半数が既に実際に作業に入っています。

こちらが非常に手ごたえを感じているのは、”点”の外交という限られた範囲の中で、実際にお会いしてお話を聞いていただけたほぼ全ての方々から、今までNasdaq上場などははるか遠い話か夢物語かと思っていたがそんなに具体的に検討可能な話とは知らなかった、として、具体的な上場市場の選択肢の一つに組み込んで検討を開始するという反応をいただいていることです。

 

―2018年9月にペッパーフードサービス株式会社が日本の外食産業としては、初のNasdaq上場を果たされました。5年ぶりとなる日本企業のNasdaq上場の反響はいかがでしょうか。

上場というものは、そもそもリードタイムが長く、各企業の経営戦略の根幹に関わってくる話ですから、ペッパーフードサービス様のニュースを見ただけで、それではウチもNasdaq上場を検討しよう、とはなるとは思えません。ただ、今後、一定期間に数社、立て続けに日本企業がNasdaq上場、ということが現実となって、メディアにも取り上げられるようになり、世間で、あれっ、何かが起こっているのかな、と意識されるようになると面白い方向に回り始めるのではないかと考えています。

ペッパーフードサービス株式会社が上場した際の記事はこちら↓

いきなり!ステーキが遂にNasdaq上場

 

Nasdaq上場に向いている日本企業とは

 

―日本企業のNasdaq上場はあっても数年に1度という状況ですが、世界的にはベンチャー企業のうち、どのような企業がNasdaq上場を目指して動いているんでしょうか。

前提として、我々Nasdaqはベンチャー企業専用の市場ではありません。現在世界の企業の中で時価総額トップ5はすべてNasdaq上場企業であることからもわかるとおり、企業の大小に関わりなく、成長性と革新性を兼ね備えた企業のための上場市場とお考えいただきたいと思います。また、最近、ベンチャー企業といっても、ユニコーンのように既に巨大な市場価値を有する未上場企業もありますので、なかなか線引きがむずかしい部分もあります。

その上で、まず一つは、すぐれた技術を持っていながらも、母国資本市場の規模が小さかったり、規制等でなかなか使い勝手が悪いという国の企業です。これらの企業にとって、Nasdaq上場は事業戦略の一つの有力な選択肢になり得ると思います。具体的には、中国やその他アジア諸国、イスラエルといった国の企業です。

 

―最近、香港取引所が非常に存在感を示して、企業を呼び込もうとしている動きがあるようですね。

そうですね。香港市場上場は、中国企業の上場の受け皿として、また中国市場でビジネスを展開する上で知名度を高めたい外国企業にとっては有力な選択肢の一つと言えると思います。

知名度を高めるという宣伝効果は、企業にとって上場する主な目的の一つと言えます。そういった意味で、ペッパーフードサービス様がNasdaq上場を決意されたのも、米国でレストランチェーンを展開する上で、知名度向上と米国マーケットへのコミットメントを示されることが最大の目的でした。ちなみにNasdaqでは、上場していただいた企業の知名度向上をサポートする取り組み、例えばタイムズスクエアにあるNasdaqタワーの広告塔でのプロモーションなどのサービスも数多くオファーしています。

しかしやはり証券市場に上場する一番大きな目的は、資本市場を活用して資金調達をすること、それと同時に株式の流動性を高めていくことによって企業価値を高めるという点にあります。このような資本市場に対するアプローチを考えると、上場する市場にどれだけのリスクマネーが存在しているか、ということが重要になってくると思います。そういう観点で考えると、米国市場は世界全体を見回してもずば抜けた存在です。

 

―今の話を日本企業の場合に当てはめてみると、日本の場合はマザーズを含め東証などの分厚い資本市場があり、比較的しっかりしたものがありますよね。

そうですね。日本企業にとって、やはり自国に自由で巨大な資本市場が存在している点は大きなアドバンテージで、そういう意味で中国やイスラエルの企業とは大きく異なると思っています。この事実を考慮せず、特に中国やイスラエルと比較して、日本企業の米国市場の上場数が少ないと言われることがありますが、前提条件が異なるのですから、同列には論じられないと思います。

ただ、いくつかの企業・業種にとっては、日本市場やその他の市場よりも米国市場の方が、特にNasdaq市場の方が、上場のメッリトが遥かに大きい場合があると思います。そして、そういった企業は決して少なくないと感じています。

 

―具体的に、Nasdaq上場に向いている日本企業とはどんな企業なんでしょうか。どのような企業が、日本市場よりも米国市場で企業価値を高められるでしょうか。東証も海外投資家も増えているという話もあるし、国際資本へのアクセスも以前と比べて良くなっています。IFRS(国際会計基準)の採用も増えています。その辺りも含め、でもやっぱりNasdaq上場がいいとする企業の特徴を教えてください。

やはりバイオテックや一部のITのような、高度な技術を持っているのに、一般投資家にはその技術の正確な評価が難しい企業が、Nasdaq上場に向いていると思います。

例えばバイオテックを例にとってお話すれば、バイオテックというのは極めてプロフェッショナルな業種であり、その技術は、なかなか素人には判断し難く、そのためその企業に対する評価が極めて難しいという特性があります。とてつもなくすごい技術と、そこそこすごい技術と、あまり将来性のない技術の判別は、一般投資家にはなかなかできません。

しかし、それらについて正確に判断してくれるプロフェショナルな投資家がいるという点がNasdaq、米国市場の大きな特徴だと思います。Nasdaqで投資しているバイオテック系機関投資家の中には、バイオ系の学位を持って実務経験もあった上でMBAを取得してファンドマネジャーになった、などいったケースが数多く存在しています。そういったプロフェッショナルな投資家はその企業の持つ本質的な技術とその価値、将来性を的確に判断して投資判断を行っています。

次に、取引市場の特性という点でみても、バイオテックやITのような先行投資型企業の特性を踏まえると、米国市場(Nasdaq)の方が、日本市場よりも、これらの企業を育てる市場になっているように思えます。

技術指向の企業が、特に初期段階で急速に成長するためには、研究開発や市場開拓にどんどん先行投資をして行かなければなりませんが、先行投資によって損益が悪く見えがちになります。この将来の大きな成長のために通過しなくてはならない時期においては赤字・黒字の上場基準とは相容れない面が出て来る場合があります。米国市場(Nasdaq)においては、正確かつ適正な開示が基本で、その開示情報に従って投資家が自己責任で投資判断を下しますので、開示の内容が赤字・黒字であることは必ずしも投資家の投資判断に影響するものではありません。技術力の精査であったり将来のキャッシュフロー分析であったり、そういった多面的な情報から投資判断を下します。

 

これは、米国市場(Nasdaq)と日本市場のフィロソフィーの違いにあるのではないでしょうか。日本の資本市場には投資家保護という強いフィロソフィーがあり、上場基準等すべてのプロセスがその発想から造り上げられているように思えます。投資家を保護するために、万が一にも将来に不安のありそうな会社は入口で極力排除しておこうという考え方が働き、その際に一番明確な客観的判断基準としては、やはり会計上の赤字・黒字を見ることは仕方のないことかもしれません。

一方、米国市場(Nasdaq)では企業への投資判断はあくまで投資家の自己責任というフィロソフィーが確立していますので、投資家は開示されている情報を基に自らの分析結果を踏まえて判断を下します。そういった投資家がNasdaq市場でまだまだ新しいバイオテックやIT企業の受け手となっています。

米国にはこういった投資家の元に世界中からリスクマネーが集まっており、ベンチャー投資も含めたエクイティ投資資金の半分以上が米国に集積しています。これは、Nasdaqに上場すれば、世界中のリスクマネーへのアクセスが可能になると言っても過言ではありません。

 

―逆に、どんな日本企業は日本市場の方が向いていると考えられますか。先ほど、必ずしもすべての企業にNasdaq上場を勧めるわけではないとお話しいただきました。

日本市場の方が適していると思うのは、日本IPO市場の主な受け手である個人投資家に対してアピールできる企業ではないでしょうか。日本市場を中心にした事業展開で日本国内に盤石な体制があり、それをベースにしたしっかりとした成長戦略のある企業は海外市場より日本の市場で高い評価を得られると思います。

 

―そういう意味ではグローバルストラテジーというか、世界をマーケットにした企業の方がNasdaqに向いているということが言えるのでしょうか。

必ずしもそうではありません。いい例が中国企業です。例えばNasdaqに上場している中国企業の中で、米国市場で大規模に事業展開をしている企業はそれほど多くありませんが、その時価総額は極めて大きいものとなっています。米国の投資家は、世界や、米国で頑張っている企業じゃないと興味がないということは全くありません。その企業がどのマーケットであっても(中国企業であれば中国の国内マーケットでも)そこでしっかりとした成長戦略があって、キャッシュフローが伸びていて、将来さらにその伸びが加速すると判断されれば株は買われます。

Nasdaq市場の特性を生かして大きく成長した企業の例としてはAmazonが挙げられると思います。本のネット販売からスタートして短期間で世界最大のe-commerce企業となり、さらに今ではクラウドソリューションの提供で他のIT専業企業を抑えて世界No.1になり、時価総額で世界のトップ3社の一つですが、その急成長を支えたのが、上場後も長期間に渡って黒字化や配当よりも先行投資を優先し続けることを許した資本市場、投資家だったと思います。こういった土壌があったことでNasdaqではGAFAが誕生したわけです。

翻って、日本の市場はどうでしょうか。残念ながらやはりこういった資本市場のダイナミックさが足りないと感じています。日米の上場企業の時価総額TOP10の、10年前と現在を比べてみると一目瞭然で、それがまさに資本市場のダイナミズムの差だと思います。われわれNasdaqもその一役を担えているのではないかなと思っています。

 

米国と日本における上場基準の違い

 

―Nasdaq上場に関して、いいところは教えていただきました。逆に難しさという点ではどうでしょうか?例えば、上場基準に関しては、表面上要求されているハードルは低いのですが、実際はどうなんでしょうか。

米国市場(Nasdaq)の上場基準に関しては、未だに非常に複雑でハードルも高く、そのため英語の堪能なスタッフを数多く抱えて対応しなくてはならない、といった大きな誤解を持たれていると感じています。

米国市場(Nasdaq)の上場基準についてはホームページで公開されておりますのでご覧いただきたいのですが非常にシンプルかつクリアです。さらにそこに書かれていることがすべてで、そこに書かれていない暗黙の基準といったものは一切ありません。

 

―その辺りを理解してもらえると、Nasdaqに上場できる会社ももっと増えていくと期待できますね。米国での上場や上場基準についてもう少し教えてください。企業が本当にクリアしなくてはいけない要件はどのあたりにあるのでしょうか。また、上場後の開示・内部統制・監査も含め、どうマネージしていくと成功につながるのかを教えてください。米国と日本では審査する範囲が違うということでしょうか。

米国の上場審査は主にSECが行います。取引所側の審査は、企業の方からSEC審査の進捗を見ながら適当なタイミングで上場申請を出していただいてから行いますが、SEC審査に比べて時間的にも短く済みます。で、SECが何に重きを置いて審査するかというと、適正に情報を開示しているかということに尽きます。投資家はその適正に開示された情報を基に投資を判断するわけです。NasdaqはNasdaq市場の上場基準に従って審査しますが、ホームページでご覧いただけるとおり、皆さまが想像されている以上に低いハードルかと思います。

ただその上場基準を満たしていれば必ず上場できるかという話ではありません。そこからは、当たり前の話ですが、その会社が米国の投資家にどう評価されるかが重要なポイントになります。従いまして、会社が投資銀行等のサポートを得ながら投資家に対して、例えば会社全体のビジョンや成長ストラテジーをCEOが、そのストラテジーをどのように実現していくかといった具体的方策や、さらにそれをどのようにファイナンス的にサポートしていくかといったことをCOOやCFOが明確に発信することで、投資家の理解を得て初めて上場が現実化します。

 

―投資家の判断能力ということに関しては、日本ではよく上場後初値が大きくつき、その後下がっていってしまうということもありますよね。

市場は生き物ですから、上場後の株価はどの国の市場も上下の変動はあると思います。ただ、日本のIPOの一つの特徴として、引き受け証券会社が主に個人投資家中心に販売する、ということが初値に強く影響を与えていると思います。

個人投資家の場合は、開示資料からその会社の実態・成長性を正確に把握することは残念ながら機関投資家よりは得意ではありません。従って、その会社の取り扱いサービス・商品の親しみやすさ、わかりやすさ、会社の人気といった面に左右される傾向があります。結果、IPO時に過度に値段が吊り上がってしまい、その後は、売りに押されて株価がずるずると下がっていくという現象が起きやすいのではないでしょうか。

 

NYSEとNasdaqの違い・特徴、Nasdaqのサービス

 

―米国に話を絞っていくと、米国にはNYSEとNasdaqと2つの大きな取引所がありますよね。両社の特徴、違いについて教えてください。日本でよく言われる「Nasdaqはベンチャーの市場」ではないことも我々は理解していますが。

両市場の違いは上場企業の顔ぶれ、特にそれぞれの時価総額上位10社を見ていただければ非常にクリアにおわかりいただけると思います。NYSEは歴史と伝統に裏打ちされた企業、Nasdaqは革新性と成長性を併せ持った企業、ということが言えます。ただ、NasdaqにとってNYSEはやはり一番の競争相手であり、これがいいと感じています。優良な企業の上場を巡ってNasdaqとNYSEが健全ながらも熾烈な競争をすることによって、米国市場全体のクオリティがどんどん上がり、サービスの質も高まっていく、という構造になっています。

 

―Nasdaqのサービスについてもう少し教えてください。

NasdaqにはNasdaq自身が上場民間企業という意識が強くあります。ですから上場していただく企業の皆様は、われわれのお客様という認識でサービスを提供しています。上場していただくそれぞれのお客様の上場の目的は何なのか、ということを個々に正確に把握し、それに対して我々ができる最大限のサービスを提供することで、選ばれる上場市場になる、という姿勢でいます。

例えば先日Nasdaqに上場していただいたペッパーフードサービス様には、米国でのレストラン展開のための米国における知名度向上という明確な目的がありました。そこで、ペッパーフードサービス様と事前に綿密な計画を練って上場日当日にタイムズスクエアにあるNasdaqタワーの広告塔を使うなどしてプロモーションを大々的に行いました。

また、上場後の各企業の皆様へのサポートにも自信があります。Nasdaqでは、上場会社ごとに窓口となる担当者がついて企業価値向上に役立つ様々なイベントやプロモーションのサポート体制を構築しています。

また、Nasdaqは、上場後の企業のIR活動を非常に重要だと考えています。上場してから投資家と継続的にしっかりと対話をすることによって情報を自ら発信し、その市場にコミットしていることを示すことができます。それによって市場における流動性も高まり、さらには企業価値の向上に寄与するものと思います。Nasdaq上場企業には、Nasdaqが有するIRをファシリテートし、サポートするツールを利用してもらえるようになっています。例えば、機関投資家データベースサービスでは公開情報を基に同業他社と自社の株主を分析して、自社に投資する可能性のある機関投資家をスクリーニングし、そこに直接アプローチすることができる、などより効果的なIR戦略の展開を可能にしています。

 

おわりに

 

―リーダーに伝えたいことはありますか。

今、世界はものすごい勢いで動いています。ですがそれに対して日本はどんどん内向きになっているように感じています。例えば、米国への留学生やMBAを取得する人が、中国・インドを中心としたアジア人や中東、欧州の人々が増えているのに対して、日本人は激減しているそうですね。そういったことから、世界の情勢がだんだん入りにくくなって、こちらもあまり積極的に情報を取りに行かなくなり、結果として日本国内だけで小さく完結するようになってしまったように感じます。他国に比べてNasdaqに対する理解・認識の温度差も、その辺りが関係しているのかなと感じたりもします。ですから一回でもお会いして今まで申し上げたようなことを直接お話しさせてもらうと、ほとんどの方に「Nasdaqに対する考え方が大きく変わった」と言っていただきます。「そんなことぐらいもう知っていますよ」くらい言われたかったりするんですけどね。

特に若い企業の経営者の方々、ベンチャー企業の方々には、アンテナをすごく高く張って、そこから世界を俯瞰して戦略を練ってもらいたいと思います。上場ということは、一定の成長を遂げられた企業にとって次の飛躍的進歩を遂げるための重要な企業戦略の一つです。Nasdaq上場がその中の現実的な選択肢の一つとなることを願っています。

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