(Update) Nasdaq:取締役会のダイバーシティに関するルール改定

本記事は、12月15日に投稿しました「Nasdaq:取締役のダイバーシティに関するルール改定」のアップデートになります。

取締ダイバーシティに関するルールの概要

昨年12月にNasdaqは、取締役のダイバーシティに関するルールの改正案をまとめ、SECに提出していましたが、2021年8月6日、SECはこの規制改正を承認しました。

ダイバーシティに関するルールの目的は、(1)Nasdaq上場企業の取締役におけるダイバーシティの促進、(2)株主への取締役のダイバーシティの開示の2つとなっています。このルールに置いて、Nasdaqに上場する企業は、少なくとも2名の多様性のある(diverse)取締役を任命するか、要件を充足できない場合は、株主総会の招集通知やウェブサイト等で、その理由を説明することが求められます。

多様性のある(diverse)と認められるのは、女性、過小評価されたマイノリティー(underrepresented minority)、LGBTQ+のいずれかとされており、少なくとも1名は女性であると自認する個人で、少なくとももう1名は、下記に定義されている人種的なマイノリティかLGBTQ+であると自認する個人のいずれかから選任する必要があります。

・マイノリティーとは、黒人またはアフリカ系アメリカ人、ヒスパニックまたはラテン系、アジア人、アメリカ先住民またはアラスカ先住民、ハワイ先住民または太平洋諸島民族のいずれである、または2つ以上の人種または民族に属する者であると自認する個人

・LGBTQ+とは、レズビアン、ゲイ、バイセクシャル、トランスジェンダーのいずれか、またはクイア・コミュニティー(queer community)に属するものであると自認する個人です。

仮に企業が本規則案を遵守できない場合、またはダイバーシティに関するルールに違反している理由の説明を開示している場合、企業はSECにより指定された期日までに遵守している状態にする必要があり、できなかった場合、Nasdaqは、当該企業に上場廃止決定書(Staff Delisting Determination)を発行することとなり、上場廃止となる可能性があります。

開示に関する新しいルール

Nasdaqに上場する全ての企業は、年に一度の株主総会の招集通知(企業が株主総会の招集通知を提示しない場合には、フォーム10K、フォーム20K)かウェブサイトに、当期と前期の取締役会ダイバーシティー指標 (board-level diversity stattistics)を開示する必要があります。

開示は下記の標準開示指標テンプレート(standardized disclosure matrix template)かまたは同指標に相当程度類似した形式を使用して開示します。

* Nasdaqによる容認できる開示例と容認できない開示例はこちらをご参照ください。

仮に企業がNasdaqに開示を容認されなかった場合、上場基準を遵守する計画を提出する必要があります。提出しなかった、または提出した計画が再度容認されなかった場合、上場廃止となる可能性があります。

SECでは、2021年の後半に取締役のダイバーシティ開示に関する新しいルールを発表する予定となっています。

おわりに

ESG(Environment, Social, Governance)が世界的に普及・浸透してきており、ESG投資の割合が高まっています。ダイバーシティはESGのS (Social)の一部です。ESG投資は財務情報に加え、温室効果ガス排出量や女性管理職比率といった「非財務情報」を重視します。ESG評価の高い企業は、投資家や消費者などのステークホルダーから支持を得て、長期的に売上や利益などが増えると考えるからです。つまり、非財務情報は「持続的な企業の成長力の源泉」なのです。

私が以前働いていたアメリカのバイオサイエンスの業界では、女性研究者の割合が高くLGBTQ+に属する方や人種も多様でした。そのおかげもあり、様々な視点からのアイディアや意見が飛び交い、海外とのやりとりも盛んで、ノーベル賞受賞をはじめ、大学としての研究成果がとても高いため、結果として日本と比べて研究費も潤沢に集めることに成功していました。

上場を考えている企業の方は、上場条件にあるから、ということだけではなく、自社の長期的でグローバルな成長のためにダイバーシティを取り入れていただきたいと思います。

そのために、当社では上場をお考えの企業様と共に、Nasdaq上場をはじめとして、企業様の長期的な成長に関しても積極的にサポートさせていただきたいと考えております。お気軽にご連絡ください。

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Nasdaq:取締役会のダイバーシティに関するルール改定

 

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